関西のお盆は一般には8月13日に仏さまをお迎えし(宗派によっては12日から)15日にお送りします。そして、16日が地蔵盆と五山の送り火。この一連でお盆が終了です。
関西でも、地の人が動かない地域、つまりその地に何百年も住み続けていて、かつ、新しい人が移り住んでこない地域では、といっても全てがそんな村ではないですが、お盆の前になると村の各家にそれぞれが一軒づつお参りに行く村があります。
お盆は家族でご先祖様をお迎えするので、ご近所へのお参りはお盆の前に済ませます。
お参りに行く人は基本的に、若い人に代を譲ったご隠居さんです。
ご隠居さん達はデイサービスのない日を選んでお参りに来てくれるのですが、年を取りきると容認が増えるのか、
もし、お盆参りに行こうと思っている日に雨が降ったらお参りに行けないかも知れない などと考えてお天気が良い日であればいつでも良し、みたいな感じで自分勝手に日を選んでやってきます。
神出鬼没に現れるお参りのお客に若い頃はなかなか慣れることはできませんでしたが、今は慣れたもので、適当にお茶をお出しして、適当な世間話をして相手をします。
今年、お参りに来てくださった中で最高齢が、間もなく92歳になる方です。
コロナの蔓延で外出することが少なくなったので、俳画を始められたのだそうです。
本当は習いに行きたかったのだが、教室はどこも閉鎖。(教室と言っても、近所の公民館でタダ同然で教えてもらえる教室。)仕方がないから、俳画入門の本を買って、その教則に従って始めたのだそうです。
わたしは、「おばちゃん、えらいわ。」と言うと、
「あんたも、介護が終わったんやから、何かしたいこと始めたらええわ。」と言うので
「まだまだ、忙しいからもうちょっと先かな?」と言うと
「あんたは、明日も明後日も生きてると思ってるやろ。そやから出来ひんねん。この婆は、明日死ぬかも知れんと思ってるからできるねん。明日死ぬかも、て思うたら何でもできるねんで。」
と言われました。
逆に言うと、明日死ぬと思っていなければ、なかなか実行できないのだ、ということです。
今やる、今やらんは気持ちの問題やで。と言いながら婆はお茶をすすりました。
若さへの甘えですね。いくつになっても若さに甘えるのは、もはや怠慢に違いない。
実行できない、1段目の積み上げがなかなかできない わたしに課題を与えて、婆は帰って行きました。
#初盆
#盂蘭盆